日本原子力研究開発機構 幌延深地層研究センターが幌延深地層研究計画令和4年度調査研究で幌延国際共同プロジェクトを開始するとしています。国際共同プロジェクトに「放射性廃棄物の最終処分を行う」ことを事業目的とするNUMO(原子力発電環境整備事業)が参加申し込みをしていることから道民の不安の声が上がっています。
5月10日の産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会で菊地葉子道議はNUMOの参加見直しを機構にただせと道に迫りました。
道によると国際共同プロジェクトの意義について機構からは研究開発の成果の最大化と共同プロジェクトを通じて知識と経験の共有を図り、次世代の技術者や研究者の育成が目的と説明を受けているとのこと。
NUMOの参加は協定の趣旨から逸脱
幌延町における深地層研究に関する協定書(三者協定)では「放射性物質を持ち込まない。深地層の研究所を放射性廃棄物の最終処分を行う実施主体へ譲渡し、または貸与しない」としています。
菊地道議は「放射性廃棄物の最終処分を目的とするNUMOと共同研究を行うことは幌延町における深地層の研究に関する協定書の趣旨からの逸脱ではないか」とただすも環境エネルギー課長は「深地層で得られる成果は地層処分の実施主体が行う処分場選定の調査に反映される」とNUMOとの共同研究を否定しません。
なぜ求めない「プロジェクト期間終了担保」
機構はNUMOへの幌延の研究所の譲渡・貸与しないための担保方法についてはそのあり方について検討すると道に答えています。菊地道議は、それでは期限内に研究を終了させる、延長はしないという担保を求めたのかと追及。
環境・エネルギー課長は「幌延国際共同プロジェクトはその進捗状況に限らず、令和2年度以降の幌延深地層研究計画での研究期間内で実施するとの説明があった」と答弁。
菊地道議は「口約束ではないか、そのことをどのように担保されるのか」と重ねて追及。
環境・エネルギー課長は「毎年開催される確認会議で、その進捗や成果について確認していく」と述べるにとどまりました。
菊地道議は「深地層研究の研究終了期間についても言及すべきではないか」と質問。
環境・エネルギー課長が「機構から研究期間の延長は想定していないことや、令和10年までに必要な成果を得て技術基盤の整備が完了するよう取り組むなどの説明があり、確認している。道として引き続き経過や成果を公表することで道民の不安や懸念の解消に努めていく」と答弁。
NUMOとの共同研究見直すべき
菊地道議は「はじめに約束された研究期間が一度延長されたことについては機構や道に対する道民の不安や不信が拭い去れていない。そこにNUMOとの共同研究ということになればさらに疑念がわく。道はこうした道民の不信に応える責任がある。道は確認会議でNUMOとの共同研究を見直すべきと機構にただすべきではないか」と迫りました。
環境・エネルギー局長が「確認会議の中で研究が三者協定に則り行程表に基づき進められているか確認する」と答弁。
菊地道議は「道民の声にしっかり向き合うべき」と再度強調しました。
