7月に静岡県熱海市でおきた土石流災害を受けて、政府の点検指示で道内でも点検作業が進められています。
菊地葉子道議と真下紀子道議団長は、第三回定例道議会で建設残土量が全国最多である北海道の盛土対策について質問し、国による法整備とともに道独自の条例制定が必要と迫りました
建設残土発生量が全国最多の北海道
国の「平成30年建設副産物実態調査」によると道内の建設残土総量は、約3500万立方メートルで、都道府県中全国一です。
そのうちの約8割は有効利用されており、残土発生量は約600万立方メートルです。
道の盛土把握面積は全道の0・2%
建設目的を前提とした盛り土の安全措置に関する基準は都市計画法及び土地造成等規制法で定められており、砂防法、地すべり等防止法、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(砂防三法)では指定した区域内における盛土や、土砂の集積を規制しています。
菊地道議の質問で、北海道では砂防三法による指定状況は全道面積の0・2%にすぎないことがあきらかになりました
公共・民間の区別なく盛土の管理が必要
道は、建設管理部発注工事では、あらかじめ搬出先や、土量の確認などを行いますが、民間工事の建設発生土に対しては、法令がないため把握していません。
民間発注工事における、明確な建設残土処分規定がないことが、熱海市で発生した土石流災害のように、私有地に発生土を持ち込み、十分な規制が及ばないまま災害につながったことは明らかです。
公共・民間の区別無く、すべての建設発生土と盛土の事前届出、適切な場所と設備のもとで対応することを明確化すべきです。
国の法整備なし、独自の道条例制定が必要
国による法整備がない中、既に26都府県で土砂埋立等の規制に関する条例が制定されていますが、本道は、未だに条例制定されていません。発生土量は全国一、砂防法等による指定面積合計は全道面積の0・2%と圧倒的にわずかです。
これでは北海道の盛土規制が十分に行われているとはいえません。
発生量の抑制と再利用を優先し、包括的に規制できる道の条例制定が急がれます。
